スパニッシュ様式の家
地中海に面したスペイン・イベリア半島の海風と灼熱の陽射しを
麦わら帽子を目深にかぶった様な屋根と庇で遮りたい。
10年間の海外赴任と、学生時代に行った旅行で焼きついたスペインの街並み
と家が忘れられず、お施主様が選んだのはスパニッシュ様式。
そしてコンセプトは…
情熱の赤と焼けつく力強い大地の茶褐色=”ペルシャレッド”
澄み切った青空とイベリア半島を囲む地中海の紺青=”インディゴブルー”
くっきりした冷たい影ではなく、絶妙な風合いで潮風が香るような家。
白い漆喰壁がスパニッシュ様式の通例であるが、モロッコ・シャウエンのスペイン建築の街並みに見られるメディタレイニアンブルー(地中海の青)をユーロプラストという漆喰で再現。
インディゴブルーで塗装した玄関ドア。
キリスト教国によるイベリア半島の再征服活動(レコンキスタ)により、スペインを追われたイスラム教徒やユダヤ教徒がこの地に移住しスペイン建築の街が再建された。
この時ユダヤのシンボルカラーである青に塗っていったという。
玄関を開けると、洞窟の様な佇まいのドーム状の廊下。アンダルシアのイスラム建築でよく見られるアーチの多彩なデザインを再現。
各居室へつながる幅1m20cmの廊下が、広々としたゆとりを与え、光と影の陰影による時を感じる空間となる。
シンメトリーなファサードの中央にポーチコが設ドの中央にポーチコが設けられ、家族を涼やかに出迎える事が出来る。ポーチコの上で美しいアーチを描くペディメントはミッション様式教会の鐘楼をモーチーフしたデザインになっており、同時に2階リビングを外の視線から守るという機能も兼ね備える。
全面勾配天井の大空間のスケールと採光に恵まれた2階が家族の暮らしの舞台となる。
ボルドーパインの色はペルシャレッドで塗りメリハリの利いた空間に、左奥のキッチンからリビングダイニングが1つの空間となり、家族の誰がどこにいてもコミュニケーションのとれる海外のライフスタイルにあるグレートルームとなっている。